研究課題/領域番号 |
15K08861
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
飯村 菜穂子 新潟薬科大学, 薬学部, 准教授 (00232140)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 多剤併用処方 / 高齢者医療 / 製剤物性 / 薬剤適正使用 |
研究実績の概要 |
医療費の高騰、超高齢社会が進む近年、我が国の医療は後発品の使用が政府レベルで推進されている。このことは皮膚科領域の治療薬の選択についても例外ではない。しかし、先発品と後発品の比較において、一見同等品とされて扱われている中に、薬物透過性、基剤や添加剤に違いがあるものもあり、厳密に同等品といえるかについては少々疑問をもつ医薬品があることもまた事実である。従って我が国の特徴的といえる多剤併用処方・治療を行う場合、先発品から後発品へ切り替える、またいずれかを選択し用いられることで混合時注意すべき点、例えば物性変化、使用感の変化等が考えられる。患者のコンプライアンス向上を狙い数種の軟膏剤、クリーム剤を混合調剤して投与するケースがしばしば見られるが上述のことを十分考慮されないまま処方されているのが現状のようである。そこで今回、特に皮膚科で比較的頻度高く用いられるステロイド剤と保湿剤を選択し、両者混合時の薬剤の物性変化が薬効や使用感など、患者に対してどのように影響するかについて検討を行った。その結果、特に配合変化が起きない系として用いられている汎用処方であっても先発品と後発品を入れ替えて使用した場合、使用感などに影響を与える組み合わせがあることが分かった。皮膚外用剤を2種以上混合する場合は、配合変化だけでなく使用感の変化にも十分注意してコンプライアンスの低下を来たさぬよう調剤時の注意が必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、申請書に記載した計画通りに進んでおり、また結果も出ている。その結果について一部論文作成も行った。進め方としては良好と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27、28、29年度にすすめた内容、結果を踏まえ、皮膚科、眼科領域における多剤併用治療において考えられる薬剤の混合時における物性変化についてさらに発展的に研究を進めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
多剤併用処方の様々なケースについてもう少し検討する必要があると感じられる系があり、今後の論文作成を行うにおいて必要と思われるため研究延長を希望した。
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