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2015 年度 実施状況報告書

臨床検体由来Bacillus属分離率施設間比較による院内感染対策の指標作成

研究課題

研究課題/領域番号 15K08863
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

鈴木 里和  国立感染症研究所, その他部局等, その他 (30373400)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードBacillus属 / Bacillus cereus / 院内感染 / 血流感染
研究実績の概要

厚生労働省医政局にJANIS検査部門の研究用データ利用申請を行い2000年から2015年7月までのデータを入手した。今年度はデータのクリーニングおよび解析方法の検討のため、2014年1年間分のデータを解析した。2014年のデータには998医療機関由来の6,789,132株の情報が含まれており、うち0.8%にあたる54,429株がBacillus属であった。Bacillus属として報告された株のうち41,565株(76.4%)は菌種名の登録がなかった。Bacillus cereusは6,988株(12.8%)で、Bacillus subtilisが5829株(10.7%)、残り47株がおそらく誤入力と思われるBacillus anthracisであった。998病院のうち、134病院(13.4%)ではBacillus属の分離がなく、457病院(45.8%)ではB. cereusとして報告された菌の分離がなかった。
血液髄液検体に限定した場合、987病院より陽性菌株349,333株が登録されており、うち9,816株(2.8%)がBacillus属であった。菌種が同定されていないのは5030株(51.2%)、B. cereusが3740株(38.1%)、B. subtilisが1037株(10.6%)であった。987病院のうち236病院(23.9%)では血液髄液検体よりBacillus属の分離がなく、さらにB. cereusに限ると543病院(55.0%)では分離がなかった。100床あたりの分離株数は、中央値が0に対し、75%タイル値が0.875株、90%タイル値が2.4株、最大値が15.2株と偏った分離を示していた。Bacillus属全体で見ても同様の傾向がみられており、血液髄液検体よりBacillus属が一定数分離される医療機関は全体の10%未満と限定的である事が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

JANISデータの研究利用の承認に想定よりも時間がかかり、解析可能なデータが入手できたのが2015年になってしまったため、十分なデータ解析期間を確保できなかった。また、2010年以降のJANIS検査部門の参加医療機関が急激に増加していたため、データサイズが想定よりも大きく、解析用のパソコンの性能を向上させる必要が生じ、その入手調整に時間を要した。

今後の研究の推進方策

2014年以前のJANISデータを同様に解析し、Bacillus属の分離状況が過去10年間に変化していないか、また、特定の地域への偏りや、医療機関特性への偏りがないかについて検討する。2014年にB. cereusが高率に分離されていた医療機関については、分離状況が継続的なのか、ある時から急速に増加してきたのか等についても検討を行う。これらから、我が国の医療機関ではどの程度のB. cereusの分離見られた場合、異常を疑うべきであるかを明らかにする。
一方、環境中のB. cereusの汚染状況を評価するための、エアーサンプリングの手法についての基礎的検討を行い、条件を確認したうえで、試験的に複数の医療機関で実際の汚染調査を実施する。

次年度使用額が生じた理由

年度末納品等にかかる支払いが平成28年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。平成27年度分についてはほぼ使用済みである。

次年度使用額の使用計画

上記のとおり。

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公開日: 2017-01-06  

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