海馬歯状回分子層に球状沈着物を多く検出した法医剖検例で、ドパミン関連分子、レクチン、一本鎖DNAを組み合わせ蛍光二重染色で検討した。レクチンの染色性は、死後8日と7日で大きく変化した。レクチンを用いた診断法は、死後7日を目処に適用の可否を検討する必要があると考えられた。Braak Stageは、Ⅳ以上になると必ず何らかの臨床症状を示すが、stageⅢの場合、無症状から重症までの可能性があり、しかも症例数が多く、別の指標が待たれていた。StageⅢの中でもTAAR1染色性が低い例は、生前に認知症状を呈していた可能性が高く、TAAR1染色性は、死後の脳機能評価法として有用であると考えられた。
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