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2017 年度 実施状況報告書

加圧・減圧下の薬物動態に関する研究:ダイビング中の血中薬物濃度の変化をとらえる

研究課題

研究課題/領域番号 15K08879
研究機関横浜市立大学

研究代表者

井濱 容子  横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (80347137)

研究分担者 福家 千昭  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60173374)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード減圧障害 / アルコール / 薬物代謝 / ダイビング
研究実績の概要

申請者らはこれまでの研究でスキューバ・ダイビング中に突然死する症例の多くが初心者の高齢者ダイバーであることを明らかにしている[Ihama Y, et. al. Scuba-diving related deaths in Okinawa, Japan, from 1982 to 2008. Leg Med. 2008;10(3):119-24.]。初心者のシニアダイバーがダイビング中の死亡事故を起こすハイリスクである理由として、ダイビングに伴う身体負荷が元来ダイバーが持っている既存疾患を増悪させることは理論的に納得できる。実際に、ダイビング中の心疾患、循環器系疾患が死亡事故の原因となったと判断されるものは少なくない。一方で、ダイビング中の加圧・減圧さらには浮上後の血管内に生じる気泡が、服用中の薬物の体内動態に変化を及ぼす可能性も考えられる。高齢者の多くは内服薬を常用していることが多く、その薬物の代謝が変化すれば薬効が減弱したり、あるいは増強されることで既存疾患に悪影響を及ぼすことは十分に考えられる。
本研究では、動物実験モデルを用いて、ダイビングを再現した加圧・減圧負荷による薬物代謝の変化について明らかにすることを目的としてる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請者の所属が、研究初年度に変更となり、新たな環境で実験機器や実験環境を整えるためにかなりの時間が必要となった。特に、ダイビング環境を再現させるための加圧・減圧装置を沖縄から横浜に運ぶ手続きが煩雑であり、実質的に初年度は本格的な実験ができない状況であった。
その後、実験室の確保や装置の整備、点検を経て、実験動物を用いて徐々にデータを出している状況であるが、当初の予定から比較すると若干の研究推進の遅れがあることは否定できない。

今後の研究の推進方策

現在、薬物動態の定量評価に関する基礎データが揃い、実際に実験動物モデルにアルコールを投与して加圧・減圧の負荷を加えて、アルコール代謝のデータを収集しているところである。実験を推進することにより、新たな課題が生まれ、研究の幅が広がっていることは喜ばしく、今後は初年度の遅れを挽回すべく急ピッチで実験を進め、データをまとめているところである。

次年度使用額が生じた理由

実際に実験動物を使っての実験の始動が遅れたため、マウス購入ならびに動物実験センター使用量、さらに薬物分析のための消耗品などが当初計画よりも遅れたために請求した助成金と本年使用の差異となっている。予算使用の延長を申請しており、この差異は速やかに解消されるものと考えている。

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公開日: 2018-12-17  

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