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2016 年度 実施状況報告書

覚せい剤に対する感受性とドパミン受容体遺伝子の多型あるいは変異との関連性

研究課題

研究課題/領域番号 15K08891
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

内海 美紀  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50351797)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードメタンフェタミン / ドパミン / ドパミントランスポーター / ウェスタンブロット法 / LCMS/MS
研究実績の概要

覚せい剤(メタンフェタミン)が乱用薬物として定着して久しい。近年は第3次覚せい剤乱用期といわれ、低年齢への拡大が懸念されている。乱用薬物の強化作用にとって重要な神経回路である腹側被蓋野-側坐核および黒質-線条体系ドパミン神経系を中心に、覚せい剤によって引き起こされるドパミン神経細胞の変化と、乱用薬物によって発現する精神病発現のメカニズムについて、ドパミン受容体およびドパミントランスポーターのmRNA、タンパク質発現率から分子レベルでの変化について現在検討を行ってる。これまで我々が行ってきた研究により、メタンフェタミンに対する遺伝的感受性の差は、側坐核より線条体のドパミン神経系(特にD1神経系)における何らかの差異に依るところが大きいと考えられる。またメタンフェタミンの単回投与群より頻回投与群の方がドパミントランスポーターのmRNAおよびタンパク質の発現率が減少することを確認しており、度重なるドパミンの過剰活動がトランスポーターのダウンレギュレーションを起こしていることが推測される。
平成27年度から28年度にかけて、採取・保存しているメタンフェタミン処置後のラット線条体を用い、メタンフェタミン投与によって引き起こされるドパミン受容体およびドパミントランスポーターの増減について、ウェスタンブロット法を始めとし、より高感度・高性能であるLCMS/MSを用いたタンパク質定量法の確立を目指している。LCMS/MSによるタンパク質定量法が確立できれば、より簡易的かつ高感度な結果が期待できるが、現在は線条体からの目的成分(低分子タンパク質)の抽出方法と、LCMS/MSの条件設定について検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度に所属講座の教員減少により、当研究以外の職務に関する実務活動や教育活動に携わる時間が増加したため、当研究のエフォートが大幅に減少した。平成28年度もその状態が継続している。
また抽出キットを用いたLCMS/MS用の試料調製と分析機器の最適条件設定に、あと数ヶ月の時間が必要である。

今後の研究の推進方策

平成28年度に行う予定であったDNA遺伝子多型の確認を行うとともに、キット等を用いたLCMS/MS用のタンパク質抽出およびサンプル調製について、今後も慎重かつ正確に進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

生体試料からのmRNAおよびタンパク質抽出、また試料の精製とサンプル調製に関して、適切かつ高性能の機器を購入予定であるが、それぞれの機器が高額であり、研究に使用するキット等の消耗品やランニングコストなどの必要最低限の経費を考慮し、今年度分と合算して機器導入に充てることを予定している。

次年度使用額の使用計画

高性能かつ高感度であるLCMS/MSで分析できるサンプルを調製するためには、生体試料内の目的物質を極めて高純度に抽出する必要がある。十分に精製されていなければ、正確かつ再現性の高いデータを得ることは困難であり、結果として実験データを得るまでにサンプルの消費、時間と経費の浪費につながる。従って、サンプルの抽出および精製に対して有効な機器を導入したいと考えている。

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公開日: 2018-01-16  

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