危険ドラッグ等の摂取を証明するには、含有される薬物成分の代謝情報が必須である。本研究では、近年開発された新しいタイプの肝細胞による乱用薬物代謝予測系の開発を試みた。本研究で評価した肝細胞のうち、肝腫瘍由来細胞株HepaRG及びヒトiPS細胞由来肝細胞については、いずれもCYP活性を有し、薬物代謝予測における有用性が示唆されたが、一部活性の低い代謝反応もあった。一方、ヒト肝臓キメラマウス由来肝細胞は、高い薬物代謝活性と扱いやすさから、現時点では、薬物代謝予測系として最も有用と考えられた。さらに、スペクトル検索、薬物名検索等が可能な代謝物データベースを作成した。
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