「経験に基づく漢方理論(経験知)が根幹を成している漢方薬」に「科学的根拠」を与えるため、漢方薬とその構成生薬投与後のマウスにおける「臓器ごとの遺伝子発現変化」に着目し、本研究を進めてきた。 平成27年度は、これまで経験的に分類されてきた生薬分類が、生薬水抽出エキスによる細胞内シグナルへの効果を元に分類することで科学的に証明できる可能性を示唆する結果を得て報告した。また、in vivo実験により、肥満モデルマウスへの桂枝茯苓丸の効果を明らかにし、報告した。 平成28年度はサイコ由来サポニンであるsaikosaponin Bが炎症に関与するシグナルを抑制することを報告した。 最終年度である平成29年度は、悪性黒色腫において、オウレン水抽出エキスがBAX/BAKを介して細胞死を誘導するメカニズムを明らかにした。
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