研究課題/領域番号 |
15K08904
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
白藤 法道 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (40529319)
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研究分担者 |
濱野 忠則 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40334817)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ホモシステイン / サルコシル不溶性画分のタウ蛋白 |
研究実績の概要 |
ホモシステイン1~1000μMにより、総タウ蛋白、リン酸化タウ蛋白の増加がTet off誘導系を導入し野生型タウ(4RON)を発現する神経系細胞を用いた検討によりみられた。またホモシステインにより神経原線維変化の形成に最も重要なサルコシル不溶性画分のタウ蛋白のレベルが増加することをWestern Blot法により確認した。同様にカスパーゼによってC-末端が切断されたタウも増加していた。このことからホモシステイン処理によって、カスパーゼの活性化を介して、C-末端が切断されたタウや、重合したタウのレベルが増加しているものと推測された。カスパーゼで切断されたタウ蛋白の増加によって神経原線維変化を生じ、タウの凝集が促進され、サルコシル不溶性画分のタウ蛋白が増加していることが疑われた。さらに、タウオリゴマーを特異的に認識するTau oligomer complex(TOCL)抗体陽性となるタウ蛋白の増加が認められた。免疫組織学的検討でも同様に100μMのHcyによりTOCL陽性細胞数の増加が認められた。また、ホモシステインが神経細胞に対してどのような効果を及ぼすかを調べるために、神経芽細胞腫細胞を培養し、顕微鏡により細胞の生存率や細胞の形態を調べた。またホモシステインを1~1000μM投与することにより容量依存性に神経細胞の障害がみられるかの確認も行った。結果として、ホモシステインの容量依存性に神経系細胞死が促進し細胞質の容積も減少していた。また、内在性タウに対するホモシステインの影響を確認するため、初代培養ニューロンに対するホモシステインの影響を検討した。その結果、100μMのホモシステインによりリン酸化タウのC-末端が切断したタウの増加が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ホモシステインによるアポトーシスの亢進がTauC3抗体を用いて示された。またホモシステインタウオリゴマーの増加が、抗体を用いたWB法、ドットブロット法によって得られ、ホモシステインによるタウリン酸化酵素(GSK-β)の亢進をきたすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
変異型タウ発症するマウスを用いて、ホモシステインがタウ重合を促進する機構をin vivoで解明する。
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