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2017 年度 実績報告書

ホモシステインが促進するアルツハイマー病・タウ蛋白オリゴマー形成機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K08904
研究機関福井大学

研究代表者

白藤 法道  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (40529319)

研究分担者 濱野 忠則  福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40334817)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードホモシステイン / タウ蛋白 / 神経原線維変化
研究実績の概要

高ホモシステイン(Hcy)血症は、アルツハイマー病(AD)および血管性認知症をはじめとする認知症の危険因子である。ビタミンB6、B12、葉酸欠乏症は高Hcy血症の原因となる。しかしながら、高Hcy血症がどうして認知症のリスクを増加させるかは不明である。ADの病理学的特徴は、高度にリン酸化されたタウ蛋白の凝集からなる神経原線維変化(NFT)である。タウ凝集に対するHcyの影響を、Tet-off誘導系を導入したヒト野生型タウ(4R0N)を発現するヒト神経芽細胞腫細胞(M1C細胞)、マウスニューロンの初代培養、さらにタウオパチーモデルマウス(P301L)に高Hcy血症を誘導し検討を行った。

本研究で、高Hcy血症がタウの重合を促進し、ADの原因となる神経原線維変化の形成に傾くことを明らかにした。Hcyがタウの重合をもたらす以下の経路が推察された。①GSK3β活性化またはPP2A不活性化を介してタウのリン酸化レベルを増加させた。②カスパーゼ3を活性化し、カスパーゼによりC末端が切断されるタウを増加させる。増加したC末端切断型タウおよびリン酸化タウは、タウの立体配座変化をきたし、タウオリゴマー化を加速した。③Hcyがユビキチン-プロテアソーム系や20Sプロテアソーム活性を低下させタウ分解が阻害され、総タウ量が増加した。サルコシル不溶性画分の神経原線維変化の増加も確認しえたことから、高Hcy血症によるタウの重合化を介した細胞死に至る経路が推察された。

これらの研究により、Hcyがリン酸化タウの増加をきたすこと、そしてカスパーゼ3活性化による切断タウの増加によりタウのオリゴマー化、そして重合を促進することが推察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Homocysteine Increases Tau Phosphorylation, Truncation and Oligomerization.2018

    • 著者名/発表者名
      Norimichi Shirafuji,Tadanori Hamano
    • 雑誌名

      Molecular Sciences

      巻: 19 ページ: 891-914

    • DOI

      10.3390

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A case of anti-3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme A reductase antibody-positive paraneoplastic necrotizing myopathy associated with advancee gastric cancer that responded to intravenous immunoglobulin therapy.2017

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi T,Matsunaga A,Ikawa M,Shirafuji N
    • 雑誌名

      Rinsho Shinkeigaku

      巻: 28 ページ: 118-123

    • DOI

      10.5692

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Homocysteine Increases Tau Phosphorylation Truncation and Oligomerization.2018

    • 著者名/発表者名
      Norimichi Shirafuji
    • 学会等名
      第59回日本神経学会学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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