研究課題/領域番号 |
15K08907
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
梅垣 宏行 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40345898)
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研究分担者 |
柳川 まどか 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50566982)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | インスリン抵抗性 / アルツハイマー型認知症 / MCI / SCI |
研究実績の概要 |
インスリン抵抗性(IR)は、認知機能低下と関連する可能性が示唆されており、特にあるアルツハイマー型認知症(AD)の病理を促進する可能性も示されている。しかしながら、臨床的なデータが不足しており、IRが認知機能低下およびADの病理変化促進への関与に関わる機序も充分には明らかにされていない。ADの治療法開発が急がれるなか、IRの認知機能低下の機序解明は新たな治療戦略の糸口になる可能性がある。そのため、本研究では、ADとその前駆段階であるMild cognitive impairment (MCI),さらにその前段階であるsubjective cognitive impairment (SCI)を含む対象に対して、MRIのvoxel based morphometryによる脳萎縮評価と神経心理検査を併せた包括的・縦断的な検討を行うこととした。昨年度に立案し、倫理委員会承認(承認番号2015-0378654)をうけた研究計画にのっとり、対象患者の登録を開始した。目標症例数はAD,MCI, SCIの3群各60名の総計180名であるが、本年度は8名(AD6名、MCI2名)の同意を取得するにとどまった。今後は、さらに同意取得を促進するために、関連する外来担当医を増やすなどの対策をとって登録者を増やす予定である。 また、地域在住高齢者の認知機能に対して、インスリン抵抗性が与える影響を検討する目的で、取得した他のコホートのデータを新たに解析した。444名の地域在住高齢者(平均年齢72.4±4.7歳)を対象とし、homeostatic model assessment-insulin resistance (HOMA-IR)によって評価されたインスリン抵抗性を各種認知機能検査の成績を必要な因子で調整した多重回帰分析を実施したところ、インスリン抵抗性は記銘力と統計学的有意な負の関連をしていることが確認され、国際学会(ADPD2017Vienna, Austria)にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者の登録作業が遅れている。現在、主任研究者のみが、患者登録を行っているが、協力する医師を増員して、同意取得および患者登録数を増やすことを計画している。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、協力する医師を増員するなどして、同意取得および患者登録数のスピードアップを図り、研究を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、主任研究者のみが、患者登録を行っているため対象者の登録作業が遅れたことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
当該研究に従事する技術補佐員の人件費、および当研究に関する情報収集・意見交換などや研究発表のための学会参加旅費に使用予定。
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