研究課題/領域番号 |
15K08911
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹屋 泰 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70590339)
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研究分担者 |
樂木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
杉本 研 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20437403)
里 直行 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 分子基盤研究部, 部長 (70372612)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知症 / アルツハイマー病 / 脳血管障害 / ADL / FAST / 血管障害モデルマウス |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、軽度認知障害を含めたアルツハイマー病患者を対象に、認知機能検査パス入院にて神経心理学検査による詳細な認知機能評価、頭部MRIによる海馬傍回の萎縮と脳血管障害の評価、さらに動脈硬化の危険因子、内分泌・代謝異常、栄養障害、日常活動度、サルコペニア、服薬アドヒアランスなど、認知機能に関連した表現型を調査した。1年毎に外来にて問診とMMSEやADLの調査を行い前向きに追跡する。これらに加え、一般的な診察や問診では評価困難な運動機能障害を検知するためのサルコペニアの調査として、血液検査(IL-6、TNFα濃度))、アンケート調査(転倒歴や運動習慣など)、筋量算出(Skeletal Muscle Mass Indexの推定式を用いる)、筋力測定(膝伸展筋力、握力)、バランス機能測定(片脚立ち時間、重心動揺検査)、パフォーマンス能測定(10メートル歩行速度、3メートル timed up & goテスト)と、超音波を用いた骨格筋評価法により、下腿筋(ヒラメ筋(遅筋)、前脛骨筋(速筋)、腓腹筋(混合筋))の筋厚、筋輝度を測定した。1年後フォローを追跡し得た症例は28例であった。またH28年度に新規に登録した症例は38例であった。 脳血管障害を伴うアルツハイマー病(AD with CVD)の動物モデルの作製については、モデルの表現系に大きなばらつきがあり再現性が取れておらず、予定通りに進捗していない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アルツハイマー病患者を対象とした臨床研究については、やや遅れているものの予定の範囲内で進捗している。H28年度より、アルツハイマー病の鑑別に難渋し、患者の承諾が得られた症例に対して、髄液採取を行うことにとなった。予想の範囲内ではあるが、手技や入院の段取りなどの不慣れのため、一時期症例が減少した。しかし、その後病診連携の会や医師会の講演などを行い対象患者を募集したことなどから、再び患者数が増加し、現在入院まで2ヶ月程度の待ちになっている。血管障害モデルマウスについては、、水迷路試験やY-maze試験を用いた認知機能とsocial behaviorやactivity scoreなどのADLの表現系のばらつきが大きく、再現性が取れていない。
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今後の研究の推進方策 |
アルツハイマー病患者を対象とした臨床研究については、臨床補助員1名が週1回神経心理学検査などの補助をすることになり、1週間で行える検査症例数が2例増加した。週に3例まで検査可能となり、最終年度はさらに症例数を積み上げたいと考えている。ただし、やはり人手や病床数の問題などから現在のところ週3名までが限界である。何とか週2~3名の入院を継続していき、可能な限り症例を増やしたいと考えている。血管障害モデルマウスについては、水迷路試験やY-maze試験を用いた認知機能とsocial behaviorやactivity scoreなどのADLの表現系のばらつきが多く、なかなか再現性が取れていない。残された時間の制約などから、頭部MRIによる形態評価に留めるなど、機能的な評価を断念することを考慮する必要がある。
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