研究課題/領域番号 |
15K08915
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坂口 学 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70432474)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 悪性腫瘍関連脳血管障害 / 悪性腫瘍関連動脈血栓症 |
研究実績の概要 |
2020年度は、症例登録の最終年度であり、2020/12/31に登録締切を延長して、2019年度に目標症例数を変更した150例とほぼ同数の151例を登録することができた。現在1年間のfollow upを終了した症例からデータ登録が完了しつつある状態にある。悪性腫瘍関連の血栓症は、主に静脈血栓症については、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC; direct oral anticoagulant)の有効性が確かめられている低分子ヘパリン製剤との比較(非劣性、安全性)する目的の大規模の臨床研究の結果がevidenceとして公表され、欧米の各ガイドラインにも記載される様になってきているが、本研究で集積している脳血管障害の主となる脳梗塞のような動脈血栓症についてのevidenceはほとんどなく、今後の臨床研究の結果が待たれる状態である。今年度は、悪性腫瘍関連凝固異常症(血栓症)による脳血管障害の臨床的特徴やその臨床病型の多彩さ、さらに治療における静脈血栓症と動脈血栓症との違いなどについて、第45回日本脳卒中学会学術集会のシンポジウム”担癌患者の脳卒中”において”がん関連血栓症”との演題で発表した。本研究のバイオマーカーと臨床経過の結果を解析することで、悪性腫瘍関連の動脈血栓症としての脳血管障害の特徴を把握し、悪性腫瘍関連動脈血栓症の治療戦略の一助になる知見が得られることが期待して、解析作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の登録症例目標から2019年度に現実的な登録目標として変更した150例をクリアする151例の症例を登録することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2020/12/31に症例登録を終了し、151例の症例登録がなされた。現在は、1年間のfollow up期間が残っており、随時追跡症例のデータ入力を漏れなく行っていくことを、参加関連施設に周知している。2021/12/31のfollow up期間終了後、追跡データ入力を完了した後、直ちに入力データを固定して、解析作業に入る。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19による予防対策等の要因で、登録期間、follow up終了期限の延長および解析に要する期間の延長があり、次年度のデータ登録、保存するREDCAPの使用維持費や解析作業、及び論文化に伴う費用に対して、使用することになる。
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