研究課題
基盤研究(C)
脳卒中センターを有する国内9施設において、がん合併脳梗塞の実態調査(多施設共同前向き観察研究)を行なった。脳梗塞発症時に活動性がんを有する患者を対象として、脳梗塞発症1年後まで追跡調査を実施した。135例が登録され、年齢中央値は75歳、52例(38.5%)が女性であった。がん種は肺がんが最多で、77例(57.0%)がステージ3以上の進行がんであった。1年後の生存率は54.1%、脳卒中再発は10.3%、出血性合併症は9.0%であった。
脳血管障害
本研究は、がん合併脳梗塞の実態調査を多施設共同前向き観察研究で行なった、我が国初めての研究である。がん患者が高齢化しており、がん患者の併存症管理の重要性が高まっている。その中でも、がんと脳卒中は共通のリスク因子があり、重要な疾患である。活動性がんを有するがん患者が脳梗塞を発症した場合、半数以上でステージ3以上の進行がんであること、1年後の生存率が54.1%であることは、今後のがん診療・脳卒中診療を行う上で、重要な知見となる。