近年2型糖尿病では骨折率が高いことが明かとなったが、その機序はまだ明らかでない。本研究では、糖尿病患者の血液中の破骨前駆細胞の変化が関与していると仮説し検証を行った。方法は、2型糖尿病患者の橈骨遠位端の皮質骨厚と血液中の単球サブセットを計測し、単球サブセットと皮質骨厚との関連を検証した。その結果、CD16陽性単球が破骨前駆細胞の性質を示し、皮質骨厚の低値な群でCD16陽性単球の比率が高いことが明らかになった。さらにCD16陽性単球の割合は皮質骨厚と逆相関し、皮質骨厚に対する独立した負の危険因子であった。これにより糖尿病患者では、血液中の単球の質が変化して骨脆弱性に関与している可能性が示された。
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