研究課題/領域番号 |
15K08926
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
富永 和作 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80336768)
|
研究分担者 |
藤原 靖弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40285292)
渡邉 俊雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50336773)
荒川 哲男 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60145779)
藤川 佳子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60711661)
谷川 徹也 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70423879)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 腸管グリア細胞 / 腸管神経 / 消化管運動 / 知覚過敏性 / ストレス |
研究実績の概要 |
1) コントロール、母子分離ストレス負荷群から摘出した大腸を用いたマグヌス法でのacetylcholine(ACh; 10-11~10-4 M)収縮反応は、母子分離ストレス負荷群において、収縮開始ACh濃度は有意に低く、最大ACh濃度での収縮率は約120%を示し、ED50は6.4 × 10-8(コントロール: 2.2 × 10-7)と低いものであり、AChに対する収縮過敏反応が認められた。 2)摘出腸管をマグヌス管内に吊るして行った経壁電気刺激(electric field stimulation: EFS)においても、母子分離ストレス負荷群では1Hz、3Hz、の低刺激において、約1.6倍、1.3倍と収縮増大反応が認められた。しかし、最大刺激下では増大反応は認められなかった。これらの増大反応は、グリア細胞の選択的代謝阻害剤であるfluorocitrateの刺激前投与により、fluorocitrateによる濃度依存的に抑制されたが、グリア細胞の活性化の高い母子分離ストレス負荷群では、より高濃度のfluorocitrateがその抑制反応に必要であることが判明した。 3) 24時間絶食後、胃内にフェノールレッドを投与し、胃排出能を測定した結果、胃運動機能は母子分離ストレス負荷群において有意に遅延していたことが判明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回、昨年の10月に所属機関の移動に伴い、進捗が少し遅れ気味である。
|
今後の研究の推進方策 |
・樹立化グリア細胞を用いて突起伸展機序に関わる因子解析 樹立化されたEGCの培養細胞(CRL-2690)を使用し、corticosteroneやCRFなどのストレス関連ホルモンやNGFなどの神経栄養因子を添加し刺激することによって、神経細胞の軸索誘導(axon guidance)に関連する、tyrosine kinase growth factor であるnetrin, slit, semaphorinなどのsmall G ptoteinの発現動態をreal-time PCRやWestern blot法により各群間で比較する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費の中で、教室内での使用でまかなえたことと、H28年10月に所属機関移動に伴い、研究が少し滞ったことによると考えます。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は、培養液への添加・刺激を目的としたcorticosterone、CRF、NGFの購入や、netrinを中心としたsmall G ptoteinの発現動態をreal-time PCRやWestern blot法で解析することを目的としたprobeや抗体の購入に使用する予定である。
|