研究課題/領域番号 |
15K08926
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
富永 和作 大阪医科大学, 医学部, 特別任命教員教授 (80336768)
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研究分担者 |
藤原 靖弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40285292)
渡邉 俊雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50336773)
荒川 哲男 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60145779)
藤川 佳子 大阪医科大学, 医学部, 特別任命教員助教 (60711661)
谷川 徹也 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70423879)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腸管グリア細胞 / ストレス / 過敏性腸症候群 |
研究実績の概要 |
腸管グリア細胞(EGC: CRL-2690)を使用し、過敏性腸症候群の病態に関与するコルチコステロンやトリプターゼ刺激により、EGCの活性化やglial fibrillary acid protein (GFAP), nerve growth factor (NGF), glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF)などの神経成長関連因子や、神経細胞軸索誘導に関連するnetrin1などの発現動態をreal-time PCRやWestern blot法により検討した。 1) コルチコステロン受容体はEGC細胞の細胞質内に、トリプターゼ受容体であるPAR-2は核内に発現していることを確認した。2) EGCのpERK1/2発現は、コルチコステロン(1 μM)刺激5分後をピークとして約2倍に増加し、0.1–10 μM刺激における用量増大反応が認められた。トリプターゼ刺激におけるpERK1/2発現の時相においても同様であった。3) コルチコステロン刺激(1 μM、10 μM)において、GFAP/S100βのmRNA発現は、1.4倍、1.6倍に増加した。NGF は1.4倍(0.1 μM)、1.5倍 (1 μM),に増加したが、GDNF mRNA発現は、0.6倍(0.1μM)、0.6倍(10 μM)に減少した。一方、IL-1βやTNF-αには影響しなかった。4) コルチコステロン(1 μM)での6時間刺激では、EGCの突起伸長や、伸長突起の近隣EGCとのコネクションを示唆する所見が認められた。5) トリプターゼ刺激により、GFAP (1.7-fold)、GDNF (3.7-fold)のmRNA発現は、1時間をピークに認め漸減した。NGF やnetrin1のmRNA発現は、1時間後に増加し6時間後まで2.5倍の増加を認めた。
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