最近の研究で、加齢に伴う動脈硬化の進展が将来の認知症発症の予測因子であること、更には認知症の病理学的変化に先行して生じることが示されている。そのため、高齢者の動脈硬化の進展を評価することが認知症発症の高リスク群の同定や早期治療に有用であると考えられてきている。本研究では非侵襲的な方法で脳血管機能を評価し、脳血管機能が認知症と関係していることを示した先駆性の高い研究であり、学術的意義は大きいと言える。更に、これらの指標は従来の動脈硬化の指標より認知症と関係が深いことが示されており、認知症発症の高リスク群の同定や早期治療に新しいアプローチを提供する可能性があり、社会的意義も大きいと言える。
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