CD44の発現の高い腫瘍細胞が食道扁平上皮癌(ESCC)における癌幹細胞(CSC)であることが明らかとなった。CSCを標的とした新たな治療法の開発はESCC患者の予後を飛躍的に向上させることが期待される。我々はESCCのCSCにおいて高発現しているFGF2に着目した。FGF2はCSCを増幅させ、逆にFGFR阻害剤はCSCを抑制した。更に、FGFR経路の下流であるMek/Erk経路がESCCのCSC維持、増幅に重要な役割を担っていることを明らかにした。動物実験においてもFGFR阻害剤、Mek阻害剤は腫瘍増殖を有意に抑制した。FGFR/Mek/Erk経路は新たな治療標的となることが期待される。
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