研究課題
パターン認識受容体は、Toll様受容体、NOD様受容体、RIG様受容体、C型レクチン受容体、AIM2様受容体などに分類され、受容体の局在や認識する分子パタ―ンの種類により使い分けられる。H. pylori感染においても、TLR2、TLR4、TLR9、NOD1、RIG-などのパターン認識受容体の関与が報告されている。このようなパターン認識受容体の活性化によって、IL-8、TNF-alpha、I型IFNの産生を亢進し、好中球を呼び寄せる。好中球はIL-12を産生することによってリンパ球を遊走させる。しかしながら、パターン認識受容体の活性化と、リンパ球浸潤を引き起こす可能性のある高内皮細静脈様血管のL-セレクチンリガンドの発現の関連については、解析されていない。インフラマソームはNOD様タンパク質をはじめとするパターン認識受容体、アダプター分子、カスパーゼから構成されIL-1betaやIL-18などの炎症性サイトカインの産生に関与している。平成27年度は、コムギ胚芽無細胞系タンパク質合成技術を用いてインフラマソームの構成分子のタンパク質合成を行い、これらのタンパク質を用いてamplified luminesecent proximity homogeneous assayを行い、EnVision (Perkinelmer社)でシグナルを検出する系を構築することができた。
2: おおむね順調に進展している
平成27年度に計画していたパターン認識受容体をコードする発現ベクターの構築は順調に進んでいる。さらに、本研究室ではコムギ胚芽無細胞系タンパク質合成技術を用いた研究が先行していたため、平成28年度に計画していたインフラマソーム構成分子のタンパク質合成を前倒しで行った。これらのタンパク質を用いてamplified luminesecent proximity homogeneous assayを行い、シグナルを検出系を構築できた。
平成28年度は、H. pylori感染で報告されているパターン認識受容体の活性化によって、リンパ球のローリングに重要な役割をするL-セレクチンリガンドや、インテグリン、接着分子をはじめとする高内皮細静脈様血管に発現するリンパ球ホーミング関連分子の発現の亢進を、培養細胞系とフローサイトメトリー法を用いて解析する。
すべて 2015
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J Immunol Methods
巻: 426 ページ: 76-81
10.1016/j.jim.2015.08.004