今回の検討でFusobacterium属は早期食道癌(扁平上皮癌)の組織に存在することが明らかとなった。またその陽性群は脈管侵襲陽性例が多い傾向が認められたことから生物学的悪性度に関与する可能性も示唆された。 このように早期食道癌を用いてゲノム解析で同定された微生物種とその分子異常、さらに環境因子との関連を検討することは、将来的に新たな予防法や診断・治療法に繋がる可能性があり、消化器癌の新たな治療戦略を世界に先駆けて報告できるものと思われる。よって内視鏡検査時の食道洗浄廃液を用いた早期食道癌のmicrobiome解析など更なる発展が期待される。
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