研究課題
計画書では、当院で胃型の胃癌、腸型の胃癌、正常コントロールの検体を採取しDNAメチル化とヒストン修飾を検討するとなっていたが、TCGAを始めとしたデーターベースの充実を認めることから、まず公的なデーターを入念に解析し、採取の対象や検討項目を決定することにした。TCGAに登録されている胃癌と正常胃粘膜228例のRNAseqのデーターを用いて、胃型のマーカーであるMAC5AC、MAC6、そして腸型のマーカーであるMUC2、CDX2、VIL1、ALPIの発現レベルを、Z-scoreで標準化しクラスター解析を行った。発現遺伝子は胃型マーカーと腸型マーカーの2群に分類され、症例はその遺伝子発現から明確に混合型84例、腸型55例、胃型49例、Null型39例の4群に明確に分類された。正常胃粘膜は13例で混合型、8例で胃型、1例がNull型であり、正常組織での混合型は腸上皮化成に伴う遺伝子発現変化であることが示唆された。イルミナ450Kアレイ上でプロモーター領域のCpGアイランドに存在するものを選択し、DNAメチル化から症例を分類した。その結果、DNAメチル化が高頻度に認められるCIMP-high症例の73%はNull型であることが明らかとなった。この結果は、DNAメチル化による発現抑制がNull型に関与していることを示唆している。
2: おおむね順調に進展している
TCGAのデータのイルミナ450KやRNAシークエンスのデータを使用することで、胃型、腸型、混合型、Null型の特徴をゲノムワイドな解析が可能となった。
遺伝子変異やRNAシークエンスの解析を施行し、粘液形質と腫瘍の分子生物学的特徴の関連を検討しする。
本年はデータベースをもちいた解析が主で試薬等は予定に比して使用しなかった。
データの解析に必要なソフトウエア。解析に基づいて実験をすすめる、試薬が必要である。
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Endoscopy
巻: 48 ページ: 472-476.
10.1055/s-0041-111566
Digestive Endoscopy
巻: 27 ページ: 572-81
10.1159/000440741