研究課題/領域番号 |
15K08956
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
半田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90381970)
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研究分担者 |
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00305575)
水島 かつら 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20564115)
木下 健司 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (70441219)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ菌 / 安価 / 迅速 / 抗生剤感受性 / 唾液 |
研究実績の概要 |
胃癌の原因菌であるHelicobacter pylori (H. pylori)の診断はH. pyloriのウレアーゼ活性を用いた間接的な方法が最も一般的である。また、抗生剤感受性検査法としては内視鏡による胃粘膜生検が唯一の方法であるが、出血のリスクや、検査結果が判明するまでの時間と費用が問題である。本研究では「唾液による非侵襲的で、短時間でおこなえる、安価で直接的なH.pyloriの抗生剤感受性試験」を標準検査法とすることを目的として立案した。 唾液中でcoccoid formで存在するH. pyloriは従来の培養法では検出出来ないが、Real-Time PCRにるH. pylori遺伝子増幅で検出可能である。当初、H. pylori標準菌液を用いてH. pyloriに対するプライマーで検出を試みたところ、ネガティブコントロールに比べて、菌液では十分なピークがみられた。検体を実際の被験者の唾液に変更して同様のプライマーを用いて検出を試みたが、H. pylori感染者、非感染者のいずれでも同様のピークがみられた。H. pyloriに対するプライマーを複数種変更し、測定の条件変更を行うも、H. pylori感染者特異的なピークは得られなかった。標準菌液では特異的なピークがみられ、ヒト由来β-Globin測定では増幅が確認されることから、測定手技的には問題ないと考えられた。唾液中の菌量の不足、もしくは報告されているプライマーの特異度に問題があると考え、最終年度では、随時唾液ではなく起床時の唾液を用いた。また、日本人に感染しているH. pyloriの95%が保有している菌体毒素である東アジア型CagAに対するプライマーも用いて検討を行った。しかし、結果として唾液を検体とした方法では従来の感染診断法として使用されている方法に比べて圧倒的に感度特異度とも低く、更なる検討が必要であると考えられた。
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