研究分担者 |
藤原 靖弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40285292)
渡邉 俊雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50336773)
谷川 徹也 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70423879)
富永 和作 大阪医科大学, 医学部, 特別任命教員教授 (80336768)
田中 史生 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (20623292)
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研究実績の概要 |
1.胃液中エクソソーム由来マイクロRNA (miRNA)の抽出方法を確立した。今後、早期胃癌に対する内視鏡治療の前後で胃液中エクソソーム由来miRNAを抽出し、治療前後のmiRNAの発現パターンの類似性あるいは差異を解析する予定である。 2.早期胃癌内視鏡治療後の異時性胃癌再発の臨床病理像を検討した。IPTW法による背景因子調整後のCox解析ではピロリ除菌治療は異時性再発を減少させた(HR=0.34, p=0.037)。今後これらの異時性再発症例の病理組織標本からmiRNAを抽出し、初発癌と異時性再発癌のmiRNAの発現パターンの類似性あるいは差異を解析する予定である。 3.胃癌細胞株におけるmiRNAの発現パターンを検討した。胃癌細胞株(AGS, MKN7, NUGC3, MKN45)を培養した後、細胞を回収してmiRNAを抽出し以下のmiRNAの発現パターンをリアルタイムRT-PCRを用いて解析した。miR619-5p, miR4481, miR4294, miR3918, miR3654, miR1273, miR933, miR708, miR658, miR372, miR345, miR203, miR196a, mi21a, mi146bについて検討したところ、それぞれに細胞株より異なったmiRNA発現パターンが認められた。 4.我が国でも噴門部癌の発症頻度が増加しつつある。我々は噴門部癌のリスクファクターである逆流性食道炎の実験動物モデルにおけるmiRNAの発現動態について検討した。逆流性食道炎誘発ラットモデルにおいて血中のmiRNAのうちmiR-29a-3pの発現および食道組織におけるmiR-223-3pの発現が健常コントロールに比し増加していた。これらのmiRNAは逆流性食道炎および噴門部癌の病態に関与し早期診断に有用である可能性が示唆された。
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