研究課題
潰瘍性大腸炎患者関連大腸癌(CAC)は潰瘍性大腸炎患者の急増とともに,発症数の増加が懸念されている.CACは通常の大腸癌と異なり,大腸全摘術が標準的な治療法であるため,その鑑別診断技術の向上が急務である.本研究ではオルガノイド技術を用い,CACと通常型大腸癌の遺伝子変異・遺伝子発現変化の統合的な解析を行い,CAC分子マーカーの探索を行う.オルガノイド技術による疾患上皮細胞のクローン増幅は極小サンプルからのオミックス解析を可能とし,CACのようなサンプル量に制限のある疾患研究に極めて有用な手段である.得られた分子マーカーの病理組織学的発現解析はCACの診断技術向上と患者の治療法最適化に応用されることが期待できる.
2: おおむね順調に進展している
H27年度は5例の潰瘍性大腸炎患者関連大腸癌(CAC)由来オルガノイドの作製を行った.潰瘍性大腸炎由来組織は正常粘膜上皮に比し,樹立効率が悪かったが,培養技術の最適化により安定的に樹立できるようになった.樹立したオルガノイドに対し,エキソーム解析およびマイクロアレイ解析による網羅的な遺伝子変異・遺伝子発現解析を行った.本研究は研究計画通り順調に進んでいる.
潰瘍性大腸炎患者関連大腸癌(CAC)は比較的希少な疾患であるが,研究施設における豊富な症例から順次臨床検体の収集とオルガノイド樹立・解析を行っていく.
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
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