本研究は痛み止めによって起こる副作用の消化管潰瘍でも特に小腸潰瘍におけるガレクチン-3の役割を明らかにすることを目的とした。ガレクチン-3欠損マウスを使った研究から、痛み止め服用によって起こる小腸潰瘍をガレクチン-3が悪化させることが分かった。そのメカニズムは主に2つの可能性が考えられる。1つは活性化されたマクロファージが危険シグナルとしてガレクチン-3を産生し、これが過剰な炎症反応を引き起こしていることである。もう1つは、小腸に多く分泌されるガレクチン-3による腸内細菌の相違である。これらの変化が相まって、小腸潰瘍形成にガレクチン-3が影響を及ぼす可能性が示唆された。
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