チオプリン製剤は炎症性腸疾患の治療で用いられ、副作用として全脱毛や白血球減少症がある。この原因は不明であったが、2014年にNUDT15遺伝子の変異が副作用と強く相関すると韓国から報告された。よって我々は、この結果が日本人で再現できるか、またどのような分子機構が関連するか検討した。本研究で、我々は日本人でもNUDT15遺伝子の変異により副作用が生じることが説明でき、またこの変異の保有者は、通常型の人に比べより少量でかつ治療効果も高いことを見つけた。またこの変異により遺伝子機能の喪失が起こり副作用が生じる可能性を示唆した。NUDT15はチオプリン誘発性の副作用を予測できる遺伝子マーカーである。
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