我々は様々な物理化学刺激によって活性化されるTRPA1チャネルは消化管線維化狭窄に深く関与することを見出した。TRPA1チャネルは消化管筋線維芽細胞に多く発現しており、線維化狭窄部位でHSP47と共在して増生する。培養細胞やTNBS炎症性腸疾患モデルマウスを用いた実験から、TRPA1を活性化するステロイド・ピルフェニドン・大建中湯の成分(hydroxy α-sanshool や 6-shogaol)は、 線維化促進因子の活性化を抑制して抗線維化作用を示した。このようにTRPA1は消化管炎症に加え、線維化に対して保護的に働くため、難治性の消化管炎症/リモデリングの新規治療標的となる可能性がある。
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