研究課題/領域番号 |
15K08991
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山際 訓 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10419327)
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研究分担者 |
高村 昌昭 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20422602)
松田 康伸 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40334669)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / NK細胞 / 自然リンパ球 / 液性免疫 |
研究実績の概要 |
肝内ナチュラルキラー(NK)細胞と自然リンパ球(ILCs)およびNK細胞機能に影響する液性免疫に注目して,肝細胞癌(HCC)発癌・再発に関与する免疫病態,特に肝内免疫監視不全を分子・細胞レベルで解明することを目的とした研究を当初の計画に沿って実施した。 1. 研究対象の選定,同意を得た上での肝組織と末梢血の採取,臨床データのまとめ → 肝細胞癌症例と肝細胞癌非合併慢性ウイルス性肝炎症例,および対照群として自己免疫性肝疾患症例より適切に肝組織と末梢血の採取を行い,研究に使用するとともに肝細胞癌再発の有無など臨床データのまとめと経過観察を継続中である。 2. 肝組織と末梢血より分離したNK細胞やILCsにおけるNK細胞レセプターや細胞傷害性リガンド,サイトカイン・ケモカインレセプターの発現 → フローサイトメトリーと免疫組織染色によりNK細胞レセプターと活性化マーカー,ケモカインレセプターなどの分子に関して末梢血と肝組織を用いた検討を実施した。解析する中で,抗体産生に重要な機能をもつ濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞にも着目した検討を追加し,自己免疫性肝疾患におけるTfh細胞の増加や活性化を見出し学会報告した。 3. 肝癌細胞株に対する細胞傷害活性や抗体刺激によるin vitro機能解析 → 末梢血から分離したNK細胞を用い,Huh7やHepG2などの肝癌細胞株に対する細胞傷害活性をNK細胞機能に作用する抗体を添加して解析した。 4.血清中抗MHC class I-related chain A(MICA)抗体の定量・allele解析 → 肝細胞癌症例の中で血清中に抗MICA抗体が陽性となった症例についてallele解析を実施したが,現時点では自己のMICA以外のalleleに対する抗体陽性例が多く認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究にて確立した手技により末梢血と肝組織からのNK細胞やT細胞の分離・解析には問題無いものの,自然リンパ球の同定には6重染色によるフローサイトメトリーによる解析を実施しており解析に十分な細胞数が得られない症例が多かったため。また,in vitroでの肝癌細胞株に対する細胞傷害活性の測定は,特に抗体添加による作用の解析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床検体を使用しての検討では,今後もこれまでの手法による解析を継続し検討症例を追加する予定であるが,今年度の検討結果よりある程度標的となるマーカーを絞って解析することで,十分な細胞数が得られない場合にもデータが蓄積出来るように工夫したい。また,in vitroの検討に関しては肝細胞癌株に対する抗体添加による細胞傷害活性の解析を継続するとともに,血管内皮細胞株を用いた検討も開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
教室で保有の抗体類が使用可能であったことなどで,試薬類の購入が計画よりもわずかに少額で済んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
試薬の購入など物品費に使用する計画である。
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