肝細胞癌において上皮間葉系移行が癌幹細胞に与える影響を評価し、新規治療法の解明を行った。上皮性肝細胞癌ではEpCAMとCD133が高発現し、ヒストン修飾蛋白であるHDAC1の活性化が予後不良であった。一方、間葉性肝細胞癌ではCD56とCD90が高発現し、DNAメチル化制御蛋白であるDNMT1及びDNMT3bの活性化が予後不良であった。上皮性肝細胞癌ではHDAC阻害剤が抗腫瘍効果を示し、間葉性肝細胞癌ではDNMT阻害剤が抗腫瘍効果を示した。上皮性肝細胞群では、DNA作用型抗がん剤との併用でHDAC1阻害薬との相乗効果がみられ、肝細胞がんに対する新たな治療戦略となる可能性が示された。
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