研究課題/領域番号 |
15K08994
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 武嗣 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (60740248)
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研究分担者 |
中西 千明 金沢大学, 大学病院, 助教 (80623660)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ウィルソン病 / iPS細胞 / 遺伝性肝疾患 |
研究実績の概要 |
本研究は、ウィルソン病症例からiPS細胞、さらに肝細胞へと誘導し、細胞レベルでの発症メカニズムの解析と劇症化に至る因子を探索することを目的としている。当該年度の目標としては、疾患症例候補の選定と承諾が得られた症例からのiPS細胞樹立を目的としていた。現在進行状況は、健常者由来のiPS細胞から肝細胞の誘導を確認し、肝細胞の同定を遺伝子発現レベル、発現蛋白にて確認を行った。当該年度において、健常者由来iPS細胞を用いて、肝細胞への分化効率や培養条件を検討してきた。分化誘導条件を好至適化することで、分化誘導後肝細胞の均一化がはかられ、研究誤差を防ぐためにも重要と考えられた。①iPS細胞の培養条件、現在ヒト由来iPS相棒では、フィーダー細胞下と非フィーダー細胞下でiPS細胞を培養することが可能である。前者では、古典的方法であるが、問題点としてマウス由来の線維芽細胞が継続して存在する可能性があること。後者では肝細胞分化誘導させる段階で、様々なサイトカインを培地に添加するが、肝細胞として獲得できる細胞数(分化効率、増殖能ななどの問題)が予想より低かった。上記をふまえ、当該年度では、非フィーダー細胞下でのiPS細胞培養と肝細胞数のより多くの細胞数獲得のため、培養条件を検討した。好至適化条件下で、分子レベルでの肝細胞分化を確認し、非劇症化ウィルソン病症例と劇症化したウィルソン病症例の候補を策定した段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常者由来iPS細胞から肝細胞へと分化誘導させる段階で、培養皿中での形態学的に肝細胞以外にも分化している細胞が混在しており、より均一な分化誘導方法を検討することに時間を消費してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
ウィルソン病症例からのiPS細胞を行う。劇症化症例と非劇症化症例の選定は行っており、現在検討している効率的な肝細胞分化の方法の確定後、本研究課題を推進していく。問題点としては、前述した誘導肝細胞の均一の程度、肝細胞の増殖能がやや低いため、肝細胞への分化誘導を定期的に行っていく必要があり、均一的な誘導肝細胞の確保に労力と時間を費やすことである。そのため、本年度は上記効率的に肝細胞への分化効率を上げるために、その検討を行った。
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次年度使用額が生じた理由 |
健常者iPS細胞を用いた、条件設定に時間を費やしたことで、疾患由来iPS細胞の樹立とその分化誘導肝細胞を用いた検討が遅延してしまった。予定よりiPS細胞の樹立数が減少したために、その樹立にかかる費用と遺伝子解析かかる費用を使用しなかったため、使用額に差が生じてしましました。
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次年度使用額の使用計画 |
遅延しているものの、予定通り疾患由来iPS細胞の樹立を予定している。その費用として使用する予定としています。
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