C 型肝炎ウイルスの変異頻度の迅速・高感度な測定法を確立した。本法により直接作用型抗ウイルス薬療法の効果と耐性変異の関係を詳細に検討しえた。HCV1b型のNS5A領域Y93H変異型頻度は治療前から高く自然発生的と考えられた。Y93H変異は、ウイルス量、ISDR変異、ALTレベル、IL28B遺伝子多型との関連性を認めた。NS5B領域C316N変異、コア領域70番アミノ酸変異等とC型慢性肝炎患者のSNPアレイデータの関連解析によってウイルス変異とヒトゲノム多様性の間に関連性が示された。得られた知見は薬剤耐性獲得メカニズムだけでなくウイルスの免疫回避機構やウイルスの分子進化を検討する上で重要である。
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