肝硬変患者での脂質、小腸での脂肪酸吸収、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の役割は重要である。今回、BCAAの小腸での脂肪酸吸収への影響を検討した。食事由来脂肪酸の吸収動態を健常者と肝硬変患者(門脈圧亢進症合併別)で調べた。脂肪酸吸収は、肝硬変患者で健常者に比べ有意に低下し、門脈圧亢進症合併群でより顕著であった(p<0.01)。また、空腸生検での検討で門脈圧亢進症合併肝硬変群は健常者に比べて小胞体のカイロミクロン合成関連蛋白(FATP4 とMTTP)の発現が有意に低下していた。肝硬変群での脂肪酸吸収低下は、BCAA投与で有意に軽減した。BCAAは肝硬変患者での吸収障害を改善する可能性が示唆された。
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