研究実績の概要 |
1)PNPLA3遺伝子の脂肪酸合成系への役割についての解析:コントロールに比べKO miceでは、ER stress負荷により肝の脂肪化が明らかに抑制され、肝内TG含量も増加は見られなかった。XBP-1下流のSCD-1発現の低下による脂肪酸合成系への影響が重要と考えられる。それと同時に、KO miceでは飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率はER stress負荷前から高値であり、PNPLA3遺伝子による脂肪酸組成変化に対する作用が考えられる。脂質合成因子の発現については、SREBP1c、 ACC2、 FASN、 CPT1α、DGAT1, 2などを検討したが、WTとKO miceで違いを認めなかった。 2)PNPLA3 変異遺伝子I148Mトランスジェニックマウスを用いたNASH発症の病態解明:PNPLA3 KO miceに対しPNPLA3変異遺伝子(I148M)を肝特異的に発現する(アルブミンプロモータ)マウス(Tg mice)の確立が完了した。そのTg minceに対し通常食およびスクロース食や高脂肪食飼育によるphenotypeを確認したが、それのみではphenotypeは発現が見られなかった。このため、ツニカマイシン負荷によるER stress負荷実験を実施して、PNPLA3 KO mice とTg miceを比較検討することで、PNPLA3変異遺伝子(I148M)によるER stressに対する作用を開始している。
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