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2016 年度 実施状況報告書

慢性肝疾患におけるロコモティブシンドロームの関連についての解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K09011
研究機関長崎大学

研究代表者

田浦 直太  長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40380860)

研究分担者 有馬 和彦  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (30423635)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードロコモティブシンドローム / 骨格筋量 / ケトン体
研究実績の概要

肝癌症例における代謝・栄養状態・筋量、骨量の臨床的意義が検討されている.ケトン体は肝で脂肪酸の酸化により生成され筋肉などの肝外組織にて利用される.これまで静脈血中ケトン体と慢性肝疾患・肝癌との検討は十分になされていない.本研究では肝癌に対し肝動脈化学塞栓療法(TACE)/肝動注療法(TAI)前後での静脈血中ケトン体測定の意義について検討した.また、骨格筋量とケトン体について検討を行った。当科でTACE/TAIを施行し治療後の経過観察が可能であった肝癌症例65例を対象とした.治療前ケトン体および骨格筋量,治療2日後,治療7日後の静脈血中ケトン体値推移を解析した.【成績】肝癌65例中,男性42例(64.6%),年齢の中央値74.0歳(53-86),TNM stage 1/2/3/4は7/28/20/10例であった.観察期間中央値は161日,肝癌の成因はHBV/HCV/非B非C/アルコールが10/34/11/10例,治療前Albumin-Bilirubin grade 1/2/3は12/49/4例であった.総ケトン体値は治療前63.0μmol/L(15-335),2日後112.0μmol/L(17-1277),7日後45.0μmol/L(8-896)であり,治療前と比較して治療2日後に有意に上昇し(P<0.01),治療2日後から治療7日後には有意に低下を認めた(P<0.01).経過観察中に65例中10例(15.4%)に肝疾患関連死を認め,治療後の累積生存率は92.9%(100日),85.9%(200日),73.5%(300日)であった.観察期間内の生存群(n=55)と死亡群(n=10)を比較したところ治療7日後総ケトン体値が死亡群で高い傾向を認めた.総ケトン体比(治療7日後/治療前総ケトン体値)と予後との関連を比較するためcut off値を検討したところ総ケトン体比0.94が算出された.総ケトン体比≧0.94(n=27)の群と総ケトン体比<0.94(n=38)の群で累積生存率を比較したところ,≧0.94群は92.0%(100日),77.3%(200日),54.2%(300日)に対し<0.94群では93.5%(100日),93.5%(200日),93.5%(300日)と有意に低下していた(P<0.05).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨塩定量法による、腰椎と大腿骨頚部の骨密度測定が遅れている.そのため、症例の血漿より骨代謝、骨間筋に関連するIL-1α・β、IL-6、TNF-α、イオスタチン、IGF-1、FGF-2、irisin、マイオネクチンと臨床特徴因子の相関を解析する。

今後の研究の推進方策

肝硬変症例おいてIL-1α・β、IL-6、TNF-α、イオスタチン、IGF-1、FGF-2、irisin、マイオネクチン濃度を測定する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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