研究課題
本研究の内容に対して同意が得られた脂肪肝・NASH・肝硬変・肝細胞癌患者および対照とし末梢血を採取、局所麻酔・エコーガイド下に16G・22mm組織生検針を用いた肝組織片の採取と上部消化管内視鏡を用いた十二指腸検体の採取を行い、蓄積している。得られた十二指腸粘膜および肝組織から RNeasy (QIAGEN) を用いてtotal RNAを抽出し、cDNA Cycle Kit (Invitrogen) で cDNA とし、DcytB,DMT1,Hephaestin,Ferroportin, Hepcidin の発現量をTaqman real time PCR法での定量化を進行中である。併せて患者抹消血から分離したPBMCよりgemonic DNAを抽出し、long PCRによりMUTYHおよびOGG1配列を増幅する準備を整えている。in vivoではSurwit diet(リサーチダイエット社)に45%スクロース水を併用(high-fat high-carbohydrate;HFHC)すると約4ヶ月で50%にNASH肝硬変モデルが生じることが知られている(Hepatology, 2010)。鉄過剰食( 鉄450mg/kg diet)群、鉄過剰食+N-acetylcystein(鉄450mg/kg diet + NAC 0.2%diet)群ならびに通常食群(コントロール)において約12か月間にわたる腫瘍の発生観察を開始した。鉄過剰食による組織へのラジカル負荷、DNA損傷ならびに発癌へのOGG1とMUTYHの関与の有無と抗酸化薬の発癌抑制効果を証左する。
2: おおむね順調に進展している
研究を遂行すべく、ほぼ予定通りに患者検体採取が進行し、in vivo実験も開始できているため。
今後は得られた検体を用いた、十二指腸鉄吸収関連分子ならびに調節因子の発現定量、発癌に関わるSNPの同定を進行し、治療介入すべき個体の同定と、治療介入を開始する。in vivoにおいても肝発癌の観察を継続する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Hematology
巻: 62(3) ページ: 751, 761
10.1002/hep.27774
World Journal of Hematology
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