研究課題/領域番号 |
15K09013
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
宮西 浩嗣 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60372819)
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研究分担者 |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
河野 豊 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80398320)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 |
研究実績の概要 |
本研究の内容に対して同意が得られた脂肪肝、NASH、肝細胞癌患者より末梢血を採取、また組織生検針を用いた肝組織編片の採取と十二指腸検体の採取を行い蓄積している。得られた肝組織ならびに十二指腸組織からRNeasyを用いてtotal RNAを抽出しcDNA Cycle KitでcDNAとし、十二指腸鉄吸収関連分子ならびにHepcidinの発現量定量化を進行中である。また同時に末梢血単核球も採取保存し、DNAeasyを用いてDNAを抽出し保存中である。肝発癌者と非発癌者の酸化的DNA損傷修復遺伝子のgenotypingを次年度施行する予定である。in vivoではMUTYH gene null miceにSurwit dietに45%スクロース水投与を併用したMUTYH欠損NASHマウスモデルを作製した。Surwit dietに45%スクロース水投与を併用するNASHモデルでは約4ヶ月間で半数にNASH肝硬変が生じることが知られている(Hepatology 2010)。一方でMUTYH欠損単独での肝発癌は報告されていない。NASH患者の半数に認められる肝内鉄過剰症の肝発癌における意義を検討するため、鉄過剰食(鉄450mg/kg diet)群、手塚城職+N-acetylcystein(鉄450mg/kg diet +NAC 0.2% diet)群ならびに通常食群(コントロール)において約6ヶ月間にわたる腫瘍の発生観察をおこなった。現在までのところいずれの群においても、肝腫瘍の発生は認められていないが、次年度も観察を継続し、鉄過剰食による組織へのラジカル負荷、DNA損傷ならびに発癌へのOGG1とMUTYH間y穂の有無と抗酸化薬の発癌抑制効果を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究を遂行すべく、ほぼ予定通りに患者検体採取が進行し、in vivoモデルの作製および観察が開始できているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は発癌に関わるSNPの同定を進行し、十二指腸鉄吸収関連分子ならびに調節因子の発現定量結果との因果関係の解析を行い、治療介入すべき個体の同定を行う。また in vivoにおいても肝発癌の観察を継続する。
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