わが国における肝細胞癌の原因が、ウイルス感染から脂肪性肝炎に大きくシフトしている。脂肪性肝疾患からの肝発癌は、食事という環境変化により肝細胞が悪性変化を起こしていることからエピゲノム変化が重要な原因と考えられた。HCVキメラ遺伝子導入HCV産生株HPI細胞、肝発癌マウスモデルSTAMなどを用いた検討からNrf2、EZH2、microRNA-122の発現変化が重要であることが明らかとなった。さらに化学発癌物質を使わずに高脂肪食のみで発癌するマウスモデルを検討した結果、腸内細菌による胆汁酸成分の変化とmTORの活性化が重要な病態因子であることが判明した。
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