研究実績の概要 |
1)ヒトiPS細胞より血管内皮細胞への分化誘導について、既報の論文を参考にActivin A,BMP4,bFGF,希釈マトリゲル添加にて中胚葉系へ分化誘導させ、VE-Cadherin陽性細胞をFACSにて純化させ内皮細胞を作製した。分化誘導9日目にCD31+細胞は35%前後となり、VEGF添加培養液でさらに培養することで内皮細胞を得た。得られた内皮細胞は再培養、増幅は可能であったが約2.5倍ほどにしか増幅できず、若干課題が残されていると考える。2)ヒトiPS細胞より間葉系幹細胞(MSC)への分化誘導について、既報の論文を参考にHuman Cell Conditioned Medium(h-CCM)で1週間培養し胚様体を形成させた。その後ゼラチンコーティング培養皿へまき直し、bFGF,NEAA,Gulta MAX等添加培養液で接着分化させMSCを作製した。得られたMSCをFACS解析したところ、CD44+,CD73+,CD90+,CD105+,CD24-,CD31-,CD34-,CD45-であり、MSCであることを確認できた。再培養、増幅は十分可能であることも確認できた。3)ヒトiPS細胞より肝細胞への分化誘導について、既報の論文を参考に成熟肝細胞を作製した。得られた肝細胞を機能評価(PAS染色、E-cadherin染色等)したが十分満足いく結果を得ることができなかったため、最終的にリプロセル社より販売されている「ReproHepato ヒトiPS細胞由来肝細胞」を購入し研究に用いることとした。4)NOD-SCIDマウスを用いた四塩化炭素誘導肝硬変モデルマウスの作製を行った。免疫不全マウスであるため通常用いる四塩化炭素の投与量ではうまく作製できなかったが、最終的には四塩化炭素の投与量と希釈倍率を工夫することによりモデルマウスを作製することに成功した。
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