本研究によりHBVの遺伝子型やHBs抗原プロモーター領域の変異がHBs抗原の細胞内蓄積に関わっていることが明らかとなった。各種遺伝子型のHBs抗原発現ベクターによる解析では、遺伝子型C株のHBs抗原が他の遺伝子型株のHBs抗原に比べ培養細胞内に蓄積しやすいことが明らかにした。遺伝子型間キメラHBs抗原発現ベクターを用いた検討により、遺伝子型C株のHBs抗原領域の第一膜貫通領域よりN末端部分のアミノ酸がこのHBs抗原の細胞内蓄積に関与していることが明らかとなった。またpre-Sプロモーター領域のアミノ酸変異に注目し、T2768Gの変異がHBs抗原の細胞内蓄積に関わっていることを明らかにした。
|