抗発癌作用を有する肝臓特異的なmicroRNA(miRNA)であるmiR-122に注目し、C型肝炎ウイルス(HCV)関連肝発癌機序の解明を目指した。HCV感染細胞ではmiR-122をはじめとする広範囲なmiRNAの機能不全が惹起されていた。その原因として、HCV構造タンパク質がmiRNAの機能発現に関与するmiRNA-induced silencing complex(miRISC)を標的とし、その機能を障害する可能性が示唆された。本研究で示されたHCVによるmiR-122機能抑制機構の詳細は、肝発癌機序の新規知見として期待される。
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