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2016 年度 実施状況報告書

膵癌進展を規定する細胞表面分子の同定と標的化

研究課題

研究課題/領域番号 15K09042
研究機関東京大学

研究代表者

中井 陽介  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80466755)

研究分担者 山本 恵介  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10608532) [辞退]
立石 敬介  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20396948)
松原 三郎  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40750550) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードKDM6B
研究実績の概要

申請者らはSNPアレイを用いたゲノムワイドのコピーナンバーバリエーションの解析から、ヒストン脱メチル化酵素KDM6B遺伝子がp53遺伝子近傍17p13に存在し、膵癌においてLOHを呈していることを見出した(Lin, Tateishi et.al. Oncology 2008)。さらにKDM6B欠損がC/EBPaの機能低下を介して膵癌の悪性度増加に寄与していることを報告した(Yamamoto, Nakai, Tateishi et al. Carcinogenesis 2014)。
今回、KDM6Bノックダウン膵癌細胞を用いた発現アレイから、対照より二倍以上に発現上昇がみられる分子のうち、細胞表面に発現される分子群をおよそ50遺伝子同定した。さらにその中から複数の細胞クローンを用いた定量的RTPCRにより、その有意な発現上昇に再現性がみられる遺伝子を約20分子抽出しえた。RT-PCRによって抽出された表面マーカーのうち、フローサイトメトリーで実際に細胞表面の発現がKDM6Bノックダウンで増加するマーカー分子を探索した結果、表面マーカー候補CD47を抽出した。スクラッチアッセイでの遊走能やマトリゲルシステムを用いた浸潤能、またsphere形成アッセイによって腫瘍形成能の程度を比較検討することによりCD47高発現細胞群がKDM6Bノックダウン細胞でみられる浸潤能や腫瘍形成能亢進を再現できるかどうか検討を開始している。現在までの検討では、CD47高発現細胞群がin vitroでの高い腫瘍形成能を呈することを確認できており、この表面分子の発現がKDM6Bノックダウン細胞でみられた浸潤能あるいは腫瘍形成能上昇のマーカーである可能性が示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

KDM6Bノックダウン膵癌細胞を用いた発現アレイから、対照より二倍以上に発現上昇がみられる分子のうち、細胞表面に発現される分子群をおよそ50遺伝子同定した。さらにその中から複数の細胞クローンを用いた定量的RTPCRにより、その有意な発現上昇に再現性がみられる遺伝子を約20分子抽出しえた。RT-PCRによって抽出された表面マーカーのうち、フローサイトメトリーで実際に細胞表面の発現がKDM6Bノックダウンで増加するマーカー分子を探索した結果、表面マーカー候補CD47を抽出した。

今後の研究の推進方策

スクラッチアッセイでの遊走能やマトリゲルシステムを用いた浸潤能、またsphere形成アッセイによって腫瘍形成能の程度を比較検討することによりCD47高発現細胞群がKDM6Bノックダウン細胞でみられる浸潤能や腫瘍形成能亢進を再現できるかどうか検討を開始している。現在までの検討では、CD47高発現細胞群がin vitroでの高い腫瘍形成能を呈することを確認できており、この表面分子の発現がKDM6Bノックダウン細胞でみられた浸潤能あるいは腫瘍形成能上昇のマーカーである可能性が示唆される。

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公開日: 2018-01-16  

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