研究課題/領域番号 |
15K09047
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
窪田 賢輔 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70381499)
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研究分担者 |
中島 淳 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30326037)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | IgG4関連硬化胆管炎 / 肝門部胆管癌との鑑別 / 内視鏡的生検 |
研究実績の概要 |
IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4SC)の新規症例がこの1年間は5例蓄積し、全体では30例であった。評価可能な内視鏡検体採取がわずかであった。内視鏡生検を行ったIgG4SCと鑑別を有するPSCは15例であり、肝門部胆管癌は30例であった。しかしIgG4SCの検体採取は困難であり、病理検討に耐えうる検体は20例であった。通常のHE染色、IgG4染色を行い、内視鏡生検による診断陽性率をまず診断した。IgG4SCでHE染色、免疫染色で診断可能な症例は、わずか2例であった。一方、既存の画像診断で肝門部胆管癌と鑑別に有用な所見は、CTで結節性病変を見つけること、超音波内視鏡による肝門部から膵内胆管まで連続した厚い粘膜肥厚像を見ることや有効であり、その結果は2017年米国消化器病週間(DDW)で5月9日発表を行った IgG4SCはさらにAIP合併のIgG4SC associated AIPとIsolated IgG4-SCに分かれる。この2群を比較し、治療前のCT画像、超音波画像、胆管像で鑑別可能である。すなわちCTで確認できる結節性病変、Segmentalな狭窄を呈する下部胆管癌との鑑別は重要であった。さらに十二指腸乳頭部生検もIsolated IgG4SC群でも陽性所見を示した。胆管造影でも特に1㎝未満の短い狭窄所見はIsolated IgG4-SCじは鑑別診断に有用である。画像診断のみでは鑑別診断は不可能である。胆道の病理生検が困難であるため、2012年の胆道学会のIgG4SC診断基準からも、ステロイドトライアルが必要である。さらにisolated typeはIgG4SC associated with AIPと比較し、再燃率が低く予後良好な可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4SC)の新規症例がこの1年間は少なく、評価可能な内視鏡検体採取がわずかであった。内視鏡生検を行ったIgG4SCと鑑別を有するPSCは、15例であり、肝門部胆管癌は30例であった。しかしIgG4SCの検体採取は困難であり、病理検討に耐えうる検体は20例であった。HE染色の時点で、形質細胞浸潤や、マクロファージをほとんど確認できなかった。このため免疫染色は有効でない可能性が大きい。
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今後の研究の推進方策 |
1.症例をさらに蓄積する必要があるが、内視鏡生検の精度を上昇させるためこれまで使用の片開き鉗子から、大口径のRdaial Joe鉗子を使用する。 2.病理組織検討のみでは、IgG4SC,PSC,肝門部胆管癌との鑑別診断は困難であるため、肝門部を非侵襲的に撮像可能な、超音波内視鏡検査-特にEUSを可能な限り併用する。 3.少ない内視鏡的生検材料で検討を行うため、PCRを用いRNAを増幅する方法やFIS検査も要検討である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はIgG4SC症例数が目標に達成しなかったため、免疫染色(マクロファージ)を一部施行不能であったため、平成28年度の研究費の執行が計画額に満たず、次年度使用額が生じた。最終年度にあと10例程度の新規症例を見込み、追加の病理実験を行う予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
1.症例追加とその総数に対し追加病理組織学的検討を行う。 2.最終結果を論文化し、その英文校正費が必要 3.採取結果は来年の米国消化器病学会で発表。
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