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2015 年度 実施状況報告書

進行膵癌に対する免疫化学療法の選択基準

研究課題

研究課題/領域番号 15K09050
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

小井戸 薫雄  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (70266617)

研究分担者 本間 定  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50192323)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード膵臓癌 / 免疫療法 / 癌局所 / 免疫抑制細胞 / WT1
研究実績の概要

進行膵臓癌における免疫応答について検討するため、進行膵臓癌に対して実施してきた「WT1ヘルパー/キラーペプチドパルス樹状細胞併用化学療法」の臨床試験サンプルを用いた免疫モニタリングを実施した。その結果、下記の事が明らかになった。(1) 本治療で、腫瘍サイズが縮小した例は認められなかったが、長期生存を認めた例は、治療早期より血漿中のIL-6とIL-8は低下した。更に、IL-6とIL-8の低下は治療中長期に及び低下が認められた。したがって、血漿中のIL-6とIL-8は生命予後のバイオマーカーとなる可能性が示唆された。(2) 血漿中のPDL1は本治療により低下が認められたが、生命予後との有意な相関は認められなかった。したがって、進行膵臓癌の免疫抑制を解除することが重要であると考えられた。

また、膵臓癌局所と末梢血中の免疫担当細胞と生命予後の関係について検討した。その結果、膵臓癌局所のCD163陽性マクロファージとCD66b陽性好中球の増加は生命予後と相関していた。更に、末梢血中の好中球/リンパ球比(NLR)と膵臓癌局所のCD163陽性マクロファージ及びCD66b陽性好中球の増加は相関していた。したがって、癌局所の免疫反応を改善するような治療法の開発が、重要であると示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膵臓癌局所及び末梢血中の免疫担当細胞と治療効果の有無について検討し、新規性のある結果が得られた。

今後の研究の推進方策

今後、腫瘍抗原や腫瘍局所の免疫抑制細胞の役割を詳細に検討し、膵臓癌局所をどのような免疫状態することが、進行膵臓癌の生命予後を改善することに寄与できるか検討を重ねる。その結果を踏まえ、新臨床試験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

1年目は、進行膵臓癌に対して実施してきたWT1ヘルパー・キラーペプチドパルス樹状細胞療法の免疫モニタリングを実施した。この免疫モニタリングの結果を踏まえて、2年目後半から新規臨床試験の実施を行う。したがって、1年目よりも2年目以降に使用額が増えるため、次年度使用額が増加することが予想される。したがって、申請時と比較し2年目の使用額が増加した。

次年度使用額の使用計画

2年目に、免疫を誘導するために、より効果的な樹状細胞の作製を試みる。それに必要な消耗品(GM-CSF、IL-4、OK-432、PGE2、Zometa、alphaGalCel、腫瘍抗原ペプチドなど)を中心に購入する。また、樹状細胞の評価のために必要なELISAやFACS用の抗体なども購入する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comprehensive assessment of the prognosis of pancreatic cancer: peripheral blood neutrophil-lymphocyte ratio and immunohistochemical analyses of the tumour site.2016

    • 著者名/発表者名
      Takakura K, Ito Z, Suka M, Kanai T, Matsumoto Y, Odahara S, Matsudaira H, Haruki K, Fujiwara Y, Saito R, Gocho T, Nakashiro K, Hamakawa H, Okamoto M, Kajihara M, Misawa T, Ohkusa T, Koido S
    • 雑誌名

      Scand J Gastroenterol

      巻: 51 ページ: 610-7

    • DOI

      10.3109/00365521.2015.1121515

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Dendritic cell-based vaccine for pancreatic cancer in Japan.2016

    • 著者名/発表者名
      Okamoto M, Kobayashi M, Yonemitsu Y, Koido S, Homma S
    • 雑誌名

      World J Gastrointest Pharmacol Ther

      巻: 7 ページ: 133-8

    • DOI

      10.4292/wjgpt.v7.i1.133

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Prognostic significance of plasma interleukin-6/-8 in pancreatic cancer patients receiving chemoimmunotherapy.2015

    • 著者名/発表者名
      Tsukinaga S, Kajihara M, Takakura K, Ito Z, Kanai T, Saito K, Takami S, Kobayashi H, Matsumoto Y, Odahara S, Uchiyama K, Arakawa H, Okamoto M, Sugiyama H, Sumiyama K, Ohkusa T, Koido S
    • 雑誌名

      World J Gastroenterol

      巻: 21 ページ: 11168-78

    • DOI

      10.3748/wjg.v21.i39.11168

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 進行膵癌患者血中の可溶性PDL-12015

    • 著者名/発表者名
      本間定、小井戸薫雄、佐川由紀子、林和美、込田英夫、鎌田 裕子、伊藤正紀
    • 学会等名
      第74回 日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2015-10-08 – 2015-10-10

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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