進行膵癌に対して、WT1を標的とした免疫療法の有効性を明らかにするため、多施設共同ランダム化第Ⅱ相試験を実施し、免疫誘導の有無と治療効果との関連を検討した。進行膵癌においてWT1ペプチドワクチンによるWT1特異的免疫反応の誘導が、無増悪生存期間(PFS)の改善に優位に寄与していることが示された。さらに、膵癌は全例WT1の発現を認めた。特に、細胞質におけるWT1の低発現群は、中~高発現群と比較し、有意差に全生存期間(OS)と無病生存期間(DFS)が延長していた。進行膵癌に対してWT1を標的とした免疫治療法(WT1ペプチドワクチンとWT1樹状細胞ワクチン)と化学療法の併用の開発が期待される。
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