心房細動はありふれた不整脈の1種であるが、心臓の左心房に血栓を生じやすくし、脳梗塞の原因となる。その血栓形成の機序として、これまで心房内の血流のうっ滞、心房内の表面を覆っている内皮細胞の機能障害、また血液の凝固異常が考えられている。しかし、心房細動によって血液の凝固異常が起こるメカニズムは不明であった。我々は、心房細動がある患者とない患者の間で、凝固因子の産生臓器である肝臓の遺伝子発現プロファイルが異なることを見出した。また、心臓と肝臓を結びつけるものを検索したところ、血液中の単核球の関与が明らかとなった。このように、心房細動において心肝連関が存在し、血栓形成を促進していることを報告した。
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