造影剤腎症は、腎機能低下症例に対する経皮的冠動脈インターベンションなどでのヨード造影剤使用で予後を悪化させる。しかし、これまでCINの発生機序は不明で予防方法も周術期の経静脈的な過剰輸液のみ、有効な薬剤は見出せていない。NOドナーとK-ATPチャネル・オープナーであるニコランジルにCIN予防効果があるか、PCI施行患者でシスタチンCが高値の患者に、生理食塩水を投与した生食群とそれに二コランジルを配合した二コランジル群の2群で前向きの無作為比較試験を行った。その結果、ニコランジルを経静脈的に持続投与することにより腎機能低下症例に対するPCIで惹起されるCINは強く抑制することが明らかになった。
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