研究課題/領域番号 |
15K09074
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平敷 安希博 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (10418741)
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研究分担者 |
近藤 隆久 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (00303644)
竹下 享典 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70444403)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 運動耐容能 / 右心不全 |
研究実績の概要 |
2015年度の研究実績として,拡張型心筋症患者において肺高血圧の有無は,心肺運動負荷試験(CPX)の指標で見出すことができることを示し,中でも%PPeakVO2が最も良い指標であることを報告した(Hirashiki A, et al. Annals of Noninvasive Electrocardiology. 2016)。本研究は,拡張型心筋症に関して,従来の心筋特性の指標であるSwan-Ganzカテーテルによる血行動態指標が,CPXによる運動時の生理学的指標と強い関連があることを示した。2014年に,肺高血圧の合併が心臓死に影響が強いことをコックス比例ハザード解析により示しており,(Hirashiki, et al. Circ J. 2014),間接的には,CPXの運動耐容能の指標が,肺高血圧の合併を示唆し,心不全の悪化や突然死を含めた心臓死などの心血管イベントに非常に意義が強いことを示した結果として,これらは合致した結果である。我々がこれまで運動耐容能を中心に予後予測指標を見出してきたが,それは右心不全の検出・右心不全の予後予測指標としても有用であることが示された。また,FMDによる血管内皮機能を調べることにより,肺動脈性肺高血圧症に特異的な治療薬であるボセンタンの効果を検討し,肺動脈性肺高血圧症はボセンタンにより血管内皮機能が改善するものの慢性血栓塞栓性肺高血圧症は有意差を認めなかったことを報告した。また,肺動脈性肺高血圧症の中で,膠原病合併,膠原病非合併の肺高血圧症で分類して比較した結果,両者同等の効果を示した。( Hirashiki et al. Pulm Circ. 2016) 非侵襲的検査に着目して,病態評価,治療効果判定,予後予測を研究実績として報告してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例は,順調に蓄積されている。左心機能と右心機能を心臓超音波検査および心肺運動負荷試験で評価し,順調に蓄積できている。治療介入による経時的変化のデータは,ほぼまとめており,海外学会発表,論文投稿を現在予定している。
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今後の研究の推進方策 |
研究推進は順調にすすみ,中間解析も終了し,現在,最終段階に入っている。さらに症例を蓄積し,運動耐容能と右心不全の関連解析を進めていく所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年は症例蓄積に重点を起き,解析費用や出張費用が予想より少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
解析用コンピュータ費用や学会出張,論文投稿に使用する予定である。
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