研究課題/領域番号 |
15K09079
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
土肥 薫 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (50422837)
|
研究分担者 |
伊藤 正明 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00223181)
中森 史朗 三重大学, 医学系研究科, 助教 (10632359)
山田 典一 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (60303731)
藤本 直紀 三重大学, 医学系研究科, 助教 (80718289)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 左心系疾患 / 肺高血圧症 |
研究実績の概要 |
左心系疾患において、肺高血圧症を合併することは病態の悪化を示唆するが、詳細な分子メカニズムは未解明である。申請者らは、肺うっ血・低酸素血症を引き金としたRhoA/Rhoキナーゼ系の活性化が内皮機能障害/平滑筋異常収縮による肺血管トーヌスの異常を引き起こし、更に慢性的血管リモデリングにも関与すると仮説を立て、臨床研究を通じて血行動態学的・分子生物学的手法により解明する。 本研究では、心不全で入院した患者100名に対し、①画像による肺うっ血および肺血流低下/不均衡の評価、Swan-Ganzカテーテル検査および右室圧容積関係測定による右心・肺循環動態の評価、肺循環内の血管作動分子、特にRhoキナーゼ活性とcGMPの測定により、肺血管トーヌス増大の機序、特にHPVの関与および関連する分子機序を解明する。また、②passive pc-PH、reactive pc-PHを呈する患者に対し、Rhoキナーゼ阻害薬Fasudilの30分間持続投与前後で血行動態変化と肺循環内の血管作動分子濃度の変化を比較することにより、RhoA/Rhoキナーゼ系活性を介した肺血管トーヌス調節機序を検証する。次に、③通常心不全治療による病態改善後に血行動態および肺循環内血管作動分子を再測定することで、短期的病態変化に関連しない肺血管リモデリングの分子機序を解明し、更に④1年間の経過観察により退院時肺血管特性や血管作動分子活性と予後との関連を検討する。 平成27年度に研究計画書を作成し、当院における倫理審査を受け、28年4月20日に承認された(承認番号2997)。平成28年6月から22人の患者に対し検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心不全入院患者が当初の見積もりよりもやや少ないため。
|
今後の研究の推進方策 |
循環器内科のみならず、救急科に入院した心不全患者についても、本研究へのリクルートを積極的に行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
患者登録数が予定よりも少ないため。
|
次年度使用額の使用計画 |
2017年度の患者登録数は80症例を予定しており、適切に使用されると思われる。
|