研究課題
特発性心室細動患者において電気生理学検査を行い異常電位の有無を検討することが本研究の主要な目的であったが、症例数が研究期間中に十分には集積できず、現段階では数例ほどでの検討となっっている。詳細な心内膜マッピングを行うと一部の症例では低電位などの異常電位が存在し、同部位付近から心室期外収縮が出現していることが確認された。このような部位において一部の症例ではカテーテルアブレーションを行っているが、アブレーションの効果であるかその判定は困難な面があるが、そのような症例では埋め込み型除細動器の適切作動は幸い認めていない。また類縁疾患のBrugada症候群でも同様に心内膜マッピングそして心外膜マッピングを行い、記録された異常電位と体表心電図との関係、アブレーションの有効性について報告した(Local activation delay exacerbates local J-ST elevation in the epicardium: Electrophysiological substrate in Brugada syndrome. Kataoka N, Nagase S. HeartRhythm Case Rep. 2017;3(12):595-598)。異常Purkinje線維が関連した特発性心室細動症例においては、やはり異常Purkinje電位を指標としたカテーテルアブレーションが有効であったが、特に明らかな低電位領域は指摘できなかった。元々頻度の非常に少ない特発性心室細動であるが、様々な電気生理学的特性を持った症例が存在していることが示唆された。今後さらに症例数を増やすことにより、病態生理的学的な分類が可能となり、カテーテルアブレーション治療の有効性が確立されることも期待される。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
HeartRhythm Case Reports
巻: 3 ページ: 595~598
10.1016/j.hrcr.2017.10.005