研究課題/領域番号 |
15K09086
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
日浅 謙一 九州大学, 大学病院, 助教 (00380452)
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研究分担者 |
肥後 太基 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10457426)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 心不全 / 水利尿の負の側面 / K排泄率による予後予測 |
研究実績の概要 |
6ヶ月以内の死亡および治療抵抗性心不全をprimary endpointとし、後ろ向きのデータ集積をさらに積み重ね、endpointの有無とエコー所見には相関のある因子がないこと、一方で、強心剤の使用、総コレステロール値低値およびビリルビン値高値がprimary endpointと有意な相関を示すことを明らかとした。また、K排泄率(FEK)の上昇率や量が、血清クレアチニン値から推察される腎機能よりも強い予後予測因子であることを明らかとし、順次日本心不全学会、アメリカ心臓協会、日本循環器学会にて進捗状況を報告した。この事実から、FEKの経時的な確認を行いながらトルバプタンを投与することは、患者への不利益を最小化しつつ、治療に当たることができる可能性を見いだすことができた。 今後はFEK値を用いたトルバプタンの投与量調整が予後にどのような影響を与えるのか、またレニンアンギオテンシンアルドステロン系亢進との相関を解析し、論文化につなげる方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでFEKおよび腎機能と予後の相関はわかっていたが、他の交絡因子の検討(独立性の検定)を加えることで新たな予後予測因子も分かってきた。
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今後の研究の推進方策 |
多変量解析を加え、診療に有用なガイドとなりうるかさらなる検証を重ねていく。 また、本検討を行うにあたり、当院転院時にすでにトルバプタンが投与されている症例が多く、そのような症例では投与前後の変化は不明であるが、絶対値と予後の相関を新たに解析することで、中止のタイミングを見いだすことができないか検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初検体提出等にかかる費用を計上していたが、適応内での採血が可能であったため、経費を抑えることができた。 この分については平成28年度に行なうデータ解析の際、人件費として使用するため繰り越している。
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次年度使用額の使用計画 |
データ解析のための人件費として計上する。
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